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知っておきたい地盤のこと
液状化とは、地震によって地盤が一時的に液体のようになってしまう現象。埋立地や河口など砂質の地盤で起こやすいとされています。地盤は、土、砂、水、空気が均等に混ざり合って成り立っています。この地盤が地震などの大きな振動で土や砂と水が分離され地盤が水に浮いたような状態になることを言います。この現象は、1964年の新潟地震で、アパートの倒壊や新設の橋の崩落などの被害が続出したことにより注目されました。
最近では、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)でも、ポートアイランド・六甲アイランドが被害を受けて注目されました。海岸の波打ち際や、雨が降ったあとのグラウンドで、足踏みをすると地面がどんどん柔らかくなり、水が浮き出てくる事があります。これも一種の液状化現象と言えます。
一般に液状化しやすい地形として、自然地形では湾岸、三角州、河口、砂丘間凹地、砂丘の縁辺、沼、旧河道、河川沿い、扇状地末端、自然堤防縁辺、谷底平野などがあげられ、人工地盤では、浚渫による埋立地、沼・湿地・水田・谷地形の盛土地、道路・鉄道・堤防などの砂による盛土地などがあげられます。
一般にN値が20以下の緩い砂層(シルト質砂~中砂)で、粒子が比較的揃い、地下水が浅く飽和状態にある場所が液状化しやすいといわれます。しかし、千葉県東方沖地震では細粒分(0.074mm以下)を50%以上含む砂でも液状化現象が生じました。過去のデータを元に地盤の粒度分布を表すと、50%値が平均粒径となります。この図を見ると平均粒径として0.03~0.5mmの粒子(砂質シルト~中砂)が液状化の可能性が高いといえます。逆に言えば、地下水面より上位の地盤、粗い砂礫や粘土からなる地盤は液状化の可能性は低くなります。
地震などで土や砂と水のバランスが崩れ、地中で分離した水が行き場をなくし、土や砂と一緒に地上へ噴き出します。(噴砂現象と言います)通常、土や砂の粒子と水が固まり構成されているため地中に隙間ができ、地中で空洞が出来たような状態になる事で、建物を支えるだけの支持力がなくなり、沈下を引き起こします。
建物を建てる時にはその重みに耐えられるしっかりとした地盤が必要です。軟弱地盤は不同沈下や地盤沈下のを起こす可能性があります。不同沈下とは建物が不揃いに沈下を起こすことを言います。家全体が均等に沈下するのではなく、一方向に斜めに傾いたような状態です。
また不同沈下によって家が傾くと、日常の生活にも支障をきたします。ドアやサッシの開け閉めが困難になったり、雨が吹き込み建物の劣化が進み耐震性能が著しく損なわれる可能性もあります。不同沈下が起こると、建物に多大な被害をあたえます。その理由は本来、水平・垂直を保って設計した建物の構造を支える部材が、不同沈下によって一ケ所に重荷が集中し無理が生じるからです。
- 外壁に亀裂が発生
- 基礎・土間などに亀裂が発生
- 壁と柱の間に隙間が生じ・内壁やタイルに亀裂が入る。
窓やドアの接合部分に隙間が生じ、外部構造に被害が生じる。 - 柱が傾き、建具の開け閉めができなくなる。床が傾斜して支障を生じる。
- 柱の傾斜が激しく倒壊の危険がある。床の傾斜もひどく、使用困難になる。